アウディグループがF1参戦？ポルシェブランドでレッドブルと提携?

昔は面白かった？！パワーユニット戦争

アイルトン・セナがいたころのF1は、F1参戦チームもたくさんあり、チャレンジングなマシンを作ってくるところもたくさんありました。
ターボ勢、ノンターボ勢と、ターボ有り無しのエンジンも混在していた時代がありました。
いくつかおもしろかったチームやエンジン、マシンなどを紹介します。

日本人初の表彰台！鈴木亜久里とエスポ・ラルース

まずは、面白かったというより、日本人初の表彰台となった、鈴木亜久里とエスポ・ラルースを語らずにはいられないと思いました。

ターボエンジン禁止2年目となった1990年。
HONDAは、マクラーレン1チームにのみの供給となり、日本人ドライバーの中嶋悟、そして、鈴木亜久里が所属するチームへの供給もなかった。
中嶋は名門ティレルチーム（フォードエンジン）、鈴木亜久里はローラシャシーのエスポ・ラルース（ランボルギーニエンジン）に所属していた。
エスポ・ラルースのスポンサーは、日本企業が非常に多く、鈴木亜久里が持ち込んだスポンサーと言えよう。
1990年の日本はバブル崩壊直前、逆に言えばその時点ではバブル絶頂期である。
このほかにも、真っ青なボディで一世を風靡した、レイトンハウスなどは日本人がチームを持ったことで有名だ。

そんな1990年。鈴鹿サーキットで行われた日本GP。
戦前から大荒れの様相で、91年にフェラーリに移籍することが決まったアレッサンドロ・ナニーにが、事故にあい、片腕を切断する大けがを負った。
90年はベネトンに所属しているナニーニ。急遽代役にロベルト・モレノが起用された。
レースは、スタート直後の1コーナーでセナとプロストが交錯しリタイヤ。セナのドライバーズチャンピオンがお互いのリタイヤで決まる。
そうこうしているうちに、残ったマクラーレンのベルガー、そして、フェラーリのマンセルもリタイヤに会い、コンストラクターズも2チーム全滅によりマクラーレンのタイトルが決まる。
レースの方は、有力2トップがともに消える波乱の状況で、伏兵ベネトンが1-2態勢で、ほぼ決めていた。
そんな中有力チームの一角であるウィリアムズがあまり調子が上がっておらず、そんな中で鈴木亜久里がファステスト連発で追い上げていき、気付いたら3位。
チェッカーを受けることになる。
この時の興奮は今でも忘れられない。
いや、というか、日本人ドライバーの表彰台はこの鈴木亜久里以降は、佐藤琢磨、そして小林可夢偉の3人、3回しかないのだ。
その3回とも、その興奮は忘れられるものではない。いつかポディウムのてっぺんで、そして君が代を聞きたいものだ。

W型12気筒？ライフエンジン

先に言っておくが、このチームは決してフェラーリではない。当時は真っ赤なチームも多くて、どれが本物のフェラーリかわかりにくい時代でもあった。
このチームは【ライフ】というF1チームだ。
このライフの特徴は、ライフ製エンジンがW型12気筒エンジンという斬新なエンジンだ。
このころは一般的にV型8気筒～12気筒がF1の主流で、たまにL型（V型より角度がついている）や、水平対向などがたまーに現れるが基本的にはV型が主流で強かった。
そんな中、W型というのは、ようは、3列あって、VではなくWに気筒が並んでいる。3列あるから3の倍数の木頭数になるわけで、W型9気筒じゃちょっと覚えが悪いとなると、12気筒になるわけだ。
V12の場合1列に並ぶ気筒は6個。W12なら、3列あるので1列当たり4気筒。要はコンパクトに収まるのだが、バンク角がそれぞれの列で違っていたようで、要は簡単には回らないエンジンだった。
おかげで感想どころかまともに1周することもできなく、当然予備予選すら通過できずにチームごと撤退した。
出た当初は古館アナウンサーがよく、ライフは今回もダメでしたなんて言ってたのが記憶にあります。。。

ジャッドエンジン?イルモア?日本人がF1チーム買収?レイトンハウス

当時はレイトンブルーなんていっていましたが、空色に緑が少し入った青は鮮やかで少年の心をくすぐりました。
F1のラジコンはフェラーリ、ウィリアムズあたりのボディは出ますが、レイトンハウスは出ません。
なので、カラーリングをレイトンハウス仕様にしたり、ツワモノは、プラバンやパテを使って、ボディ形状も寄せて言ったりしていました。
そんなレイトンハウス・マーチ。90年に搭載したエンジンがジャッドV8エンジンという、当時だと聞いたことがないエンジンでした。
フェラーリ、HONDAが席巻する中に、自動車メーカーのルノーが参戦してきて（この数年後にはウィリアムズと組んで大成功を収めます。）そこに、小さいメーカーが搭載するフォード（コスワース）があって、ベネトンだけは特別仕様のフォードエンジン搭載みたいな、一般的な流れがありました。
そこに、先述のように、ライフW型エンジンや、スバル水平対向エンジンなど、斬新な企画で参戦するメーカーもありました。
レイトンハウスは90年前半はジャッドEVという、少しバンク角を狭めたエンジンを供給。このEVは、レイトンハウス独占供給とうたっていたが、あまりパフォーマンスが良くなく、途中からイルモア社製のエンジンへ変更しているのだ。

そんなレイトンハウスマーチ。90年のフランスポール・リカールサーキットであわや優勝という2位表彰台を獲得した。
2位になったのはイヴァン・カペリ。
イタリア人でかつ、フェラーリを苦しめた男ということで、92年にはフェラーリに移籍する。
レイトンハウスの相棒はマウリシオ・グージェルミン。
フランスGPでも、最初は1-2態勢で。フェラーリプロストに抜かれてからも、2-3態勢で万全だったのだが、かねてからあった信頼性の問題でグージェル民はリタイアしている。
結局90年は信頼性の問題でリタイヤばかりだったが、本領を発揮したのがフランスGPで、もともと空力が物を言うサーキットとして有名なコースだ。
そして、この90年のレイトンハウス。CG091の空力を担当していたのは、現代ですら最高の天才デザイナーと言われるエイトリアン・ニューウェイであることを申し添えておこう。