一口馬主研究会

2022年賞金額・ルール変更を考察する~一口馬主にとってどのような影響があるのか~

美和
オーナー。今回は、2022年の賞金ルールの変更についてだそうですね?

静寂さん
そうそう。有名なところでは有馬記念とジャパンカップの1着賞金が3億から4億に増額されましたとか。Yahoo!ニュースのトップにも掲載されていたよね。
けど、現状としては、そういう目立つところではないところも変更があったのよ。我々一口馬主投資をやっている人間にとっても密接にかかわってくる。

賞金額変更

美和
とはいえ、やはり、有馬の4億は目立ちますよね。G1競走の大半が賞金が増額されたとのことですね。

静寂さん
そうなんだ。2歳G1ともともと賞金が高い設定だった日本ダービーの4競走以外は最低10%(秋華賞だけが10%)、平均しても20%以上の増額だ。1億のレースは1億2000万以上になったってことだね。
G1自身は数も少ないしね。賞金を増額することで海外からの参戦の促しもできる可能性があるし、有力馬の出走推進にも役立つだろうね。

美和
G2やG3はどうなっているのでしょうか?

静寂さん
G3は平均して5%前後の増額があったようだね。G2に関しては本年は一切手を付けていないようだ。
ここも来年以降もしかしたらいろいろ手が加えられるかもしれないね。現状で言えばG1とその他重賞の賞金格差は広がった。
これって、よりG1級の馬が優遇され、おそらくこれは種牡馬になる際にも大きな指針になっていくだろうね。いいのか悪いのかは、10年後20年後を見ないとわからないけどね。

美和
とはいえ、やはり重賞は、エクストラレースですからね。ほとんどの競走馬は重賞に至れないわけです。下級条件戦はどうなんでしょう?

静寂さん
多少増えたレースもあるみたいだけどほとんど変わっていないというのが現状かな。
ただ、重賞も含めて今回の変更点で大きいのが、出走奨励金だ。

出走奨励金とは

美和
出走奨励金とは何ですか?

静寂さん
簡単に説明すると、1~5着馬に渡されるのは賞金だ。ただ、JRAは、5着までに入らないとお金がもらえないわけじゃないんだよね。
まず一つ目は、特別出走手当。出走した全馬対して、手当として一定の金額が付与される。平場のレースで45万だったっ気かな?多少の減額条件や支給対象外になる条件はあるんだけど、まあ簡単に言えば給料みたいなもんだ。
この45万前後というのが曲者で、仮にだけど、月に1回の出走で2桁着順だったとしたらその馬が稼ぎ出してきたお金は45万円となる。これでは厩舎の預託料が全額は出ないんだよね。
なので、せめて掲示板1回は乗ってほしいよねって話になるわけだ。
で、話を戻すけど、この特別出走手当以外にも、今までであれば、6~8着には出走奨励金と言われるいわば、掲示板外の馬のための賞金もあった。
今回ここの対象着順が拡大されたんだ。これは大きい。
重賞・OP競争は10着までは昨年と一緒なのだが、それ以外のレースは9着までが支給対象となった。平場の9着で、1着賞金の3%。未勝利戦なら1着賞金が510万だっけ?ってことは、3%なら、約15万円が支給される。特別出走手当と併せると60万くらいは入ってくる計算になるね。これは大きい。
今までは8着以内を最低ラインとして考えていたものが、9着、一桁着順を最低ラインとしてみることになるだろうね。

美和
この3%はそんなに大きいですか?

静寂さん
大きいと思うよ。未勝利馬だとすべてが小さいのでそれほどでもないかもしれないけど、1勝C以上であれば月に1回1桁着順で回って返ってきてくれたら、厩舎の預託料程度は何とかなるからね。
一口馬主ファンド的にはかなり大きいと思う。ケガ無く無事に年12走以上、平均着順が1桁なら、少なくとも飼い葉代は出るからね。1勝でもしてくれればキャッシュフローは黒字化するだろう。
トータルの決算としてはこんな下の下の話をしているようではだめだが、全頭が勝ち上がって出世するわけじゃないからね。なかなか勝てない馬がどうなっていくのか次第で一口馬主ポートフォリオの収支は変わってくるともいえるので、走らなかった馬がいかにコツコツとこういう小さな収入を重ねるのかっていうのは大事だね。

他にもつく手当

美和
JRAはこれ以外にもいろいろ手当てがありますよね?

静寂さん
そうだね。いくつか手当てがあるので紹介しておこう。

距離別出走奨励賞

静寂さん
芝の1800m以上のレースに出走し、10着までに入ればもらえる付加賞だ。

美和
1勝Cの特別レース1800mで1着80万ですか。2000m超で200万。1勝特別の1着賞金が約1000万ですから、長距離の特別レースを勝つと1200万円以上ですか。結構手厚いですね。

静寂さん
そうなんだよ。なんで条件クラス程度の馬なら芝の中長距離馬は同じだけの成績だったとしても短距離馬やダート馬より手厚くなるよね。仮に3勝Cまで出世できるとしたら、もう500万近い差が出てくることになるね。

美和
これは、出資馬選定の際に重要な要素ですよね。

内国産馬所有奨励賞

静寂さん
これは、その馬が内国産馬であった場合に付与される付加賞だ。

美和
へぇ~~と言っても今の日本の競馬は、外国産馬が昔ほど多くないですよね。ほとんどの馬が対象になってくるというか。

静寂さん
そうだね。昔ほどは外国産馬が多くないのはあるね。
やはりサンデーサイレンスが登場して以降、内国産馬のレベルが格段に上がって、昔ほど外国産馬を買い付ける魅力が薄くなったのかもしれないね。タップダンスシチーなんかは、内国産馬にはないパワーを期待されて輸入されてきた馬って感じかな。
外国産馬も内国産馬もそん色がない、いや、へたをしたら内国産馬の方が適性があっている可能性があるんだけども、JRAとしては日本の馬産振興のためにもこの付加賞は外すわけにもいかないんだろうね。
ヒシアマゾンやタイキブリザードなんかが活躍していたころはね、これ以外に父内国産馬所有奨励賞っていうのもあったんだ。

美和
え?それって今お話ししている内国産馬とどう違うんですか?

静寂さん
内国産馬というのは、父親の産地は影響しなくて、実際その馬が日本で生まれれば内国産馬だ。例えばビワハヤヒデ。
母親は海外でシャルードという種牡馬の種を付けられ受胎して、お腹にビワハヤヒデがいる間に日本に来た。で、日本の牧場で生まれたのね。だから、内国産馬という扱いになる。
ちなみに、ビワハヤヒデの弟であるナリタブライアンも父がブライアンズタイムで外国馬だから、産地が日本なので内国産馬ではあるが父内国産馬ではないね。なので、ビワハヤヒデと同じ内国産馬という扱いになる。
ほかにも、サンデーサイレンス自身はアメリカで生まれてアメリカで走った馬じゃんね。この馬が種馬として日本にやってきて日本で産駒が生まれてる。これも内国産馬。
で、ディープインパクト。この馬はサンデーの仔で日本で生まれてるでしょだから内国産馬。
その仔であるコントレイルは内国産のディープインパクトの内国産馬でしょ。これを父内国産馬というのね。父親自身が内国産馬っていうことね。昔の競馬新聞には○父っていう表記があったもんだよ。
今はそれを書くとディープインパクト、キズナ、エピファネイア、ロードカナロアたちの仔は全部○父で紙面が埋まっちゃうよねw
ようは、○父が当たり前になってきたのがあって父内国産馬奨励賞は無くなったみたいだね。

美和
そんなことがあったんですね。内国産馬奨励賞は5着まで一番少なくなる1勝Cの古馬レースで80万ですね。それでもそこそこいい金額もらえますよね。先ほどの流れで行けば芝の中長距離1勝C特別戦で勝ち上がると、内国産馬なら1300万近くもらえる計算になりますね。
あ。そして、牝馬ならさらに新馬・未勝利戦においては内国産牝馬奨励賞というのがもらえるんですね。なるほど。。。ミラクルキャッツは対象か。。。

付加賞

静寂さん
さらに、特別レースの場合、レース出走に対して特別登録というのをやるんだけど、登録料を払い込む必要がある。
その集めた登録料をそのレースの1~3着に配分するのが付加賞だ。レース自身が大体10~16頭前後で行われているから50~100万くらいは集まるみたいだね。
7:2:1の案分で分けられるそうだから、1勝クラスの特別でも1着なら40~50万近くはもらえるんじゃないかな。たくさんの馬が登録してくるようなG1レースになると、この付加賞だけでも結構ありそうだよね。200万とか。
話はちょっと賞金とはずれるんだけど、クラシック競走はこれ以外に5大登録というのを済ませていないと出走できない。有名なのは、地方からデビューして、まさかそこまで走ると思っていなかったオグリキャップは5大登録をしていなかった。だから、クラシックには出れなかったんだよね。いまは、確か追加登録がギリギリのタイミングまで受け付けられているので有力だとわかった時点で追加登録ってことも増えたみたいだね。

馬主賞品

静寂さん
一口馬主の場合、クラブが現金化するのでこれもお金になって返ってくる。馬主賞品だ。
主に金貨が多いんじゃないかな?
クラブの場合、出資者に誰か買い取らないか案内をするケースが多いのかな。
で、買い取ってもらったお金を出資者に配当としてまた金銭にして渡すような流れかな。
特別戦になれば、100万を超えてくるからね。小さいとは言えないよね。

美和
そうですね。ざっと並べてみても、かなりいろんな手当てがありますよね。面白かった。勉強になりました!

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