日曜日の静寂

静かに。そして、強く生きていきたい。一口馬主とFXと。

新しい血統診断システムの作成

一口馬主研究会

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勝ち上がりの可能性

まず最重要だと考えているのは勝ち上がりです。
G1馬であれ、重賞馬であれ1勝Cであれまずは1勝、未勝利を脱出しないことには上位クラスのレースにチャレンジすらできません。
格上挑戦で挑戦はできるにしても厳しい制限(本場開催に出れない、当然優先順位は最下位なのでフルゲート以上になったら確実に除外される)がありますから、いつまでも未勝利のままでいることはできません。
それらを考えると、未勝利を脱出できるかできないかの判断というのは一口馬主であれ本当の馬主であれ最重要判断の一つであると思います。
賞金を稼げるかどうかの判断の前に、確率的にどのくらい勝ち上がり、勝ち抜けできる血統なのかを見る必要があると考えています。

今までは総合的な確率情報程度しか出していなかった

従来までの血統診断は、父母3代の繁殖馬の組み合わせが近いサンプル競走馬の勝ち上がり比率を期待値として提示していました。もう一つは母系統三代(母・母母・母母母)の各産駒の勝ち上がり比率を母系の期待値としていました。
しかし、これでは種牡馬そのものの能力や母父と種牡馬の組み合わせ限定の確率などが確認できなかったため、サンプルが少ない割に運よくその少頭数の何頭かが勝ち上がると確率が飛躍的に上がるという現象がたびたび発生、マイナー種牡馬ほど、高確率になる可能性がありました。
今回は当然総合的な数値も出しますがそれ以外にも細かく分解した数値を出すことにしました。

  • 種牡馬自身の勝ち上がり確率
  • 母系三代の産駒勝ち上がり確率
  • 母系三代×種牡馬の勝ち上がり確率
  • 母の父×種牡馬の勝ち上がり確率
  • 母の父×種牡馬三代(父・父父・父父父)の勝ち上がり確率
  • 総合勝ち上がり確率(父系・母系の三代までのありとあらゆる組み合わせ)

例えば史上二頭目の無敗のクラシック三冠馬となったディープインパクトは、父が稀代の名種牡馬サンデーサイレンスでディープインパクトが生まれた時点での勝ち上がり確率は実に60%を超えます。
当時のJRA全体の勝ち上がり率が34%程度ですから、1.5倍以上の可能性がありました。
また、ディープ出産当時の母系は38%、総合確率でも40%近くあるので、全体平均よりも勝ち上がる可能性が高いという判断ができます。

史上三頭目の無敗のクラシック三冠馬となったコントレイルは勝ち上がり確率診断でいえばエクストラです。
まず種牡馬のディープインパクトはその時点での勝ち上がり確率は58%と、その父サンデーサイレンスとほぼ変わりません。コントレイル出産時点のJRA勝ち上がり確率は31%ですから、実に2倍近い数値になります。
また、母系はサンプルが少ないのであまりあてにできませんが、母父と種牡馬の相性が良くサンプル8頭すべて勝ち上がっていました。
ありとあらゆる組み合わせで診断する総合診断の数値も58%とかなり高く出ていて勝ち上がりの可能性だけで見れば押さえておきたい産駒ということになります。

獲得賞金と募集価格

一口馬主であれば募集価格ですし、JRA個人馬主であればセリ市の価格や庭先取引の価格が期待できる獲得賞金より低ければ儲けになりますし、重賞を勝ったとしても馬代金も稼げないとしたら、赤字ということになります。
なので、一口馬主は投資ファンドであると考えたときに期待できそうな獲得賞金というのは非常に重要です。

以前作ったプロトタイプの血統診断システムでは数字が1つだけ出てくる仕組みでした。
血統診断にて絞り込んだサンプル競走馬の獲得賞金の(最頻値)を取るような計算でした。
たとえば、1億の賞金を獲得した馬1頭と賞金0円の競走馬1頭がいた場合、平均をしてしまうと5000万という数字が出ます。
実際には5000万を獲得した馬がいないのに平均は5000万となります。
よって、これでは本当に正しい獲得賞金がわかりません。
それに、おそらく競走馬は、0円か、2000万か、1億か、G1も勝ち負けして5億~10億か。
最終的にはこの中のどこかのテーブルに入ってくるわけです。
例えばディープインパクトがいてその全兄弟のブラックタイドがいます。
全兄弟ですから血統診断するとほとんど同じような結果が出ます。
しかし、最終的にはディープインパクトは歴史的な名馬となり、歴史的な名種牡馬となりましたが、ブラックタイドは重賞は勝ちましたし、それなりの賞金を獲得しましたが、ディープインパクトと比べてしまうとかわいそうですよね。
だから、競走馬自身が血統診断で出た数字に近づくのではなく、このエリアが近いという感じになるのではないかと考えました。
したがって今回は1000万刻み(1億から先は1億刻み)でサンプル競走馬がどのくらいの比率でどの賞金テーブルに入るのかという情報を出してみました。
このサンプル競走馬の抽出は、父が同じ競走馬と、父系・母系のあらゆる組み合わせをサンプルとして数字を出しました。
なぜ賞金の算出の際に種牡馬だけの情報を出すのかというと、やはり種牡馬にも特性があり、当然リーディングサイヤーにもか輝くような種牡馬は父がそうだというだけで期待値が高くなりますよね。
サンデーサイレンスの産駒なら、勝ち上がり確率が60%で、当時でいえばG1のほとんどをサンデー産駒がとっていたのですから見捨てるわけにはいきません。
それにプラスして、父系と母系のあらゆる組み合わせサンプルから算出した競走馬も併せて計算することで、種牡馬の特性と母系の特性を入れた統計情報が出せると考えたのです。
そして、特に重要だと考えられるのは0~1000万の範囲の出現率です。

例えばコントレイル。
当時のJRA全体の0~1000万円の範囲は76.8%です。
実に3/4以上が1000万円稼げていない現状があります。
一口馬主の場合募集代金が1000万円を切る馬でも厳しいですね。
コントレイルの場合この0~1000万のテーブルは47.42%と1/2も切ってきます。
これは0~1000万以上を稼ぐ可能性が50%以上もあるという統計です。
大チャンスですね。
JRA全体よりも良い(0~1000万の場合はJRAより低く出る)ことというのがミソです。
では、そのままそれ以上を見ていくと、やはり、76%もあるところが、当馬の場合は50%も切っているので当然ほかのテーブルの数字が良くなっていますが、そのうえでさらに良好な数値の範囲という意味では、3000万以上からは、JRA総合の1.5倍を超える数値を連発しています。さらに、1億円以上が7.97%、そしてそれ以上も結構な割合で出現していますから1億円以上稼ぐ可能性が結構高いと考えられます。

それらを総合して考えると仮にコントレイルが一口クラブで募集されていたとした場合は、募集価格次第ですが、1億円程度までの募集価格ならノータイムで申し込みといったところでしょう。
コントレイルはノースヒルズが生産した競走馬でオーナーがそのまま走らせている馬ので金額はわかりませんが当時のディープインパクト産駒をセレクトセールに上場させたと考えるとやはり6000~1億程度にはなってもおかしくなかったのではないかと考えられます。
なので、クラブ募集だった場合、1億~1億5000万程度になった可能性が高いと考えます。
しかし、それでもおそらくこの血統診断なら投資してみる価値は大いにあると考えられます。
結果、コントレイルは無敗の三冠馬となり、生涯獲得賞金も11億円を超えますから、余裕の回収だったとなります。
ただし、それであったとしても、半分程度は未勝利で終わる可能性、また半分程度は、馬代金も回収できない(獲得賞金が5000万円以下)の可能性があり、コントレイルの場合、その半分ではない、回収できた半分に入った競走馬だったということです。
このような考え方をするのが安全だと考えていて、一口馬主出資の場合、1頭入魂より、複数頭に手広く出資する方針のほうがおそらく安定した収益につながると考えられます。

コントレイルは個人馬主の所有馬ですし、あまりにも有名で稼ぎすぎた馬といえます。

あまりに著名な歴史的な名馬だけでは当血統診断は図り知れませんので、実際に自分が出資してきた競走馬で例を挙げてみたいと思います。

まずはローレルクラブで募集があった2018年度産駒のラヴォラーレ

ラヴォラーレは募集価格が500万とかなり安価な牡馬でした。
その時点でほとんど買いだと思っていましたが、血統診断では父オールステイのサンプルが0件、結果勝ち上がり診断はあてにはならないのかなと思っていました。
その中でも、母系サンプルが13頭おり、その勝ち上がり確率は53.8%と募集価格から見ると破格の勝ち上がり確率であり、なおかつクラブからのコメントとして、超大型馬以外はすべて勝ち上がっているというのが母系の特徴でした。
当馬は募集時点で500㎏を超える大型馬でした、もうちょっとで超がつく大型馬というところでしたが、このあたりでとどまるだろうという想定、また非常に丈夫そうでなおかつフットワークがよさそうに見えました。
募集価格が500万円ということで、未勝利戦でも何回か掲示板まで登ることができれば募集価格はペイしますし、まかり間違って未勝利戦を勝ち上がることがあればその時点で預託料も回収できるということ、それに先のように、勝ち上がる可能性は比較的高そうな母系ということで募集開始初日に出資いたしました。
200口募集でしたので2.5万円。2口や4口くらいはいけるには行けたのですが、私にとっては初年度の出資ですし、父オールステイはあまりにも産駒がおらずどんな傾向を示すのかもわかりませんでしたから、1口のみの出資となりました。
結果として、2023年9月の時点で3勝、3勝Cで3着までの実績があり獲得賞金は4968万、約5000万円の獲得賞金です。
これは確実な成功例と言えますね。

次に、サラブレッドクラブライオンで2020年に募集があったエメヴィベール

エメヴィベールはセレクトセールで1870万円で落札された幼駒でクラブ募集価格は2400万円でした。
仮に5歳末までJRA現役でいた場合、預託料として約3000万ほどかかると計算し、約5000万ほどの獲得賞金ならペイすると考えます。
出走奨励金等もありますから、賞金でいえば4000~5000万が損益分岐点と考えます。
まずは勝ち上がり診断ですが、父ダイワメジャーの勝ち上がり確率は43.8%。当時のJRA全体の勝ち上がり確率が31.5%、牡馬の全体勝ち上がりが34.8%ですから、JRA全体の勝ち上がり確率より上の確率です。
母系は、募集がかかっている時点ではデビューしている産駒がおらずサンプルが0でした。
母父とダイワメージャー父系3代の勝ち上がり診断は14頭中7頭の勝ち上がり、50%という数値が出ていますし、総合勝ち上がり診断では51%という高確率でした。
勝ち上がりだけを見たら、約半数の競走馬が勝ち上がれるかなという診断です。
次に獲得賞金診断です。
まず当時のJRA全体の獲得賞金0~1000万のテーブルは76.72%。エメヴィベールの関連血統のテーブルは60.28%ということでわずかですが全体から見ても比較的稼ぐ馬が多そうです。
では、どのあたりが厚いのか見てみます。

エメヴィベールの出資代金(総額2400万円)にこの先かかってくるであろう預託料などを合わせると、5000万円程度の賞金獲得が求められます。なので、4000万(~5000)のエリアは紫色背景になっています。
獲得賞金テーブルを見ますと、3000万円以上からまんべんなくJRA全体より上回る数値を出しています。
特に良さそうなのが4000万円台から8000万円台あたりでしょうか。
このあたりであれば最低ラインの4000万円台でペイ、それ以上でプラス収支なので、先ほどの勝ち上がり確率と総合すれば文句なく買いという判断になろうかと思います。

結果として、23年9月の時点ではデビュー戦で4着と、いずれ順番が回ってくるのではないかという走りをし、3戦目に待望の初勝利。
その後は1勝Cで惨敗が続くも、怪我をして半年後に復帰した復帰戦で鮮やかに勝ち切り。2勝Cに挙がってからは徐々に着順を上げながら昇級4戦目にして2勝Cを勝利。私の初の特別レース勝ちをもたらしてくれました。
23年9月時点で獲得賞金は3,537万円となっており、出走奨励金等を合わせるとやく4700万程度となっています。
現状で4歳なので、奨励金を合わせて4000万オーバーは回収できていると判断してもいいでしょうし、2勝C勝利後はいったんリフレッシュ休暇に入っていて秋にも復帰してくるでしょうから更なる賞金の上積みを期待しています。
3勝Cを勝つようなら、オープン入りするわけで、そうなると当然重賞、地方交流重賞など高額賞金のレースに出走できますし、重賞で掲示板入り、勝ち負け、そして勝利するようなら億の声も聞こえてきそうです。

エメヴィベールは、サラブレッドクラブライオンでここ2~3年で募集がかかっていた募集馬の中では勝ち上がり可能性がかなり優秀でかつ馬代金がそこそこで、2勝C程度でペイできそうだなという感触でした。
さらにノーザンFではありませんがここ最近実績馬がポンポン表れ始めた社台F産です。
育成場の坂路コースを数年前に改修したということで、22年度あたりからその坂路で育成された馬(要は20年度産駒あたりから)がG1の舞台に出てきたという感じです。なので、社台Fの育成というのも悪くなさそうだと考えていました。
期待できそうな獲得賞金も4000万前後が厚いので、この馬には少し期待を込めたいということで2口出資しました。
本当はもう少し出資してもよかったのですが、まだ始めたばかりの血統診断でしたし、本当にこれで正しいのかわかりませんでしたので2口としました。

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