日曜日の静寂

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~最後に勝ち星を積み上げられるのか??~月刊一口馬主2022年12月号 - 5

ポートフォリオ日記

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編集後記~クラブ馬の地方移籍はメリットがあるのか?~

当ポートフォリオでは、サラブレッドクラブライオン所属のフォルティウスが大井競馬所属のままファンド継続しています。
そして、先ごろファンド解散となりましたが、同じくライオン所属のオンヴァガニエはJRAデビューできず、そのまま大井所属のままファンド継続をしていました。
地方で3勝(3歳12月までは2勝)すれば、JRAに1勝Cとして復帰できるため、3歳夏あたりから地方に移籍して2勝(古馬は3勝)目指して動く馬が増える時期です。
そんな中でも最近は、3勝を達成しても収支上・成績上、そのまま地方所属のままでファンドを継続するクラブ馬も増えたように見えます。

JRA復帰狙いの地方移籍

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美和
JRAに復帰する要件を満たしてJRAに戻るために一時的に地方に移籍するパターンは従来からありますよね。
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静寂さん
3歳なら2勝、古馬なら3勝すればJRAに復帰する際に1勝Cで復帰できると認められているね。
どんな馬でも3勝して帰ってこれるのかといわれるとそうでもないと思うけども、未勝利戦で掲示板に乗る程度の力があれば地方で2勝や3勝はあっさりこなせる感じかな。
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美和
当ポートフォリオで地方に移籍した馬は
ミンナノヒーロー
フォルティウス
オンヴァガニエ
の3頭です。
フィニッシュムーヴについては移籍が決まった時点で、再ファンドを辞退しましたので、当ファンドではファンド解散扱いとします。
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静寂さん
ミンナノヒーローは5戦3勝2着1回競走中止1回。
5戦目は最終コーナーでね。。。最後は予後不良となってしまった。
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美和
緒戦が本馬のデビュー戦だったのですが、既走馬相手に遊びながらの2着でした。
2~4走については圧倒的な強さを見せてJRA復帰を確実にしました。
ここまでは、母の父であるオグリキャップとほとんど同じような戦績で、期待を持たせるような結果でした。
その後、もう1戦か2戦地方で使ってJRAに戻すプランだったようですが、従来からあった足元の弱さが出てしまったんですよね。
JRAで走っていたらどこまで走れたか、見てみたかったです。
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静寂さん
次はオンヴァガニエ。
こちらも怪我でJRA未勝利戦があるうちにレースに出られなかった。
ミンナノヒーローはローレルクラブということもあって、地方移籍時は別の馬主名義になっていて賞金はもらえない。大体が生産牧場さんの名義で出走させて、2勝・3勝したらJRAに戻してその際には再ファンドとして戻ってくる感じだね。
JRA復帰することになった際に再ファンド申し込みをすることでファンド復帰する仕組みだ。
オンヴァガニエはサラブレッドクラブライオンということで、地方にいる間もファンドは継続していて、地方の賞金も出資者に分配されるね。当然預託料も出資者が支払う必要があるけどね。
クラブとしての根本的な仕組みが違うこともあるのだろうが、ミンナノヒーローは再ファンドのためのJRA復帰を目指して地方でデビューした。
サラブレッドクラブライオンのオンヴァガニエは、最初からJRAを意識せずに大井でデビューすることになったね。
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美和
結果は大井で2勝はしたのですが、どうにもパンとしてこずということで先ごろファンド解散となりました。
悪くはなかったのですが、時間がかかりそうということで採算性を考慮したうえでの決断だったようですね。
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静寂さん
地方は賞金が小さいからね。
だって、大井であってもだよ。A1クラスの平場レースで500~600万といった程度の賞金だ。
JRAの未勝利戦の1着賞金が500万だからね。
南関東以外の地方競馬で500万クラスの賞金となれば、その地方の重賞の賞金でそのくらいだったりするほどの賞金格差だ。
だから、採算性という意味では、C級で掲示板を外すようなレースを続けるようならファンドとして成立しないと判断されてもおかしくないわけだよね。

地方に所属したままになる競走馬

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美和
そしてもう一頭、フォルティウスは骨片除去手術をしたのですが、回復に非常に時間がかかってしまい、JRAデビューはできたのですが、時間がない中で無理に出走させたため全く適性に合うレースに出走できず、かろうじて7月に未勝利戦でデビューできましたがその後は1勝Cの格上挑戦で2走。
全くいいところを見せることもなく3戦ともに2桁着順でタイムオーバーを食らって制裁出走停止措置まで食らいました。
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静寂さん
JRAへの復帰を目指して、3勝を目指して名古屋に移籍することになり、休養期間中に去勢手術を受ける予定でしたが、諸事情により去勢ができない、しても意味がないことが判明。結果去勢できずに名古屋でデビューすることになった。
転厩してからはその暴れっぷりがすごくて、鞍上を振り落とすなんていう事態も発生、一時はクラブサイドから進退の話も出たようだけど、名古屋の今津調教師が何とかもう少し頑張らせてくれと引退を撤回。
何とか名古屋デビューにこぎつけます。
その名古屋の一戦目で6馬身差の圧勝。最後の直線はほとんど促さずにゴールだからクラスの違いを見せつける格好になったね。大いに期待してしまった一戦だ。
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美和
続く2戦目は約10馬身の大楽勝。
早々と3勝を決めるかと思われた3戦目に4着となりました。
敗因は前残りの競馬で後ろに控えたことですが、根本原因は自分との戦いに負けたことだとおもわれます。
気性の荒さから、このころから自分との戦い、最大のライバルは自分といわれ始めましたよね。
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静寂さん
それでね。
僕はこのころから思い始めたんだ。
確かに名古屋のC級だと、1着賞金が50万にもならないけど、預託料も安いし、何より勝ち負けできるっていうのは本当にありがたいよね。地方だから連闘は当たり前、走らせながら鍛えていくのが地方だから1度入厩するとよほどのことがない限り放牧になんて出ないしね。この時の名古屋は、旧来の競馬場から弥冨にできた新競馬場への移行時期で、2月に2勝目をした後は1か月ほど間が空いたけどね。その後はコンスタントに出走している。
まだ2勝目だったけど、こんな感じで、こんなペースでコツコツ勝って出世していけばフォルティウスなら名古屋でA級くらいにはなれるんじゃないか?
けど、3勝してJRA復帰した場合どうなんだ?
もしかしたら1勝Cくらいはいずれ勝てるかもしれないけど、2勝Cに出世して、それで頭打ちになるとしたら、同じ1000万円を稼ぐにしても、JRAならば、1勝C特別レースを勝てば1000万、名古屋ならC級で30勝。出世していったとして、1000万稼ぐまでには20勝くらいかな?
A級で勝ち負けできるくらいまで出世していれば1000万だ。
同じ1千万ならたくさん勝ってくれるほうが嬉しい分だけ得じゃないか?
と思ったんだよね。
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美和
4戦目に3勝目を達成しますがやはりその気性の粗さから、すぐにJRAに戻さないことになりました。
南関東に移籍可能な6勝をめどに、6勝したらその時点でまた考えましょうということになりました。
しかし、これだけ力の差がありますからね。
地方移籍7戦目、B級に出世した緒戦で2着と取りこぼしましたが次の8戦目に6勝目を挙げ南関東への移籍条件も満たしました。
これをもって南関東へとりあえず移籍する運びになりました。
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静寂さん
僕はこの時点では、名古屋でA級目指して、A1級までたどり着いたら地方交流重賞にチャレンジすれば名古屋の賞金が低くても交流重賞で勝てば数千万という賞金をもらえる可能性があるからね。
南関東でB級くらいでくすぶるくらいならほぼ間違いなく出世できそうな名古屋にいればいいのにと思っていた。
しかし、実際に移籍して、南関の下級条件だけども、そこで勝ってみて、考えが大きく変わったよね。
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美和
ですよね。
フォルティウスは南関東ではC1級に所属となりました。
移籍後2戦は3着、7着と振るわなかったのですが、3戦目にしっかり勝ちきりました。
その際の獲得賞金は120万円。
移籍緒戦が3着で獲得賞金が30万円でした。
この30万円というのは、笠松のC級の1着賞金とほぼ同じです。
120万円というのは名古屋や笠松だとA級の1着賞金くらいです。
やはり大きな差があるわけですね。
大井のC級なら、フォルティウスは何とかクリアしてくれそうな感じですし。移籍は正解なのかもしれませんよね。
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静寂さん
また、地方競馬、南関東のクラス編成は総獲得賞金で決まっていて、B2級に昇格するには500~1000万程度(年齢によって昇級の獲得賞金条件が違う)なので、その間はC級に所属していられるわけだよね。
1000万もらうまでC級って、それこそ、勝ち負けできるレベルにあることが分かったらこんなおいしいことはないよね。
B級に昇格すると1着賞金は200万程度になってくる。
A級への昇級条件は2000万以上になってくる。
フォルティウスの馬代金は680万だからね。
フォルティウスに置き換えてみると、B級昇格時点で馬代金はペイするね。預託料も地方の場合JRAほどは高くないので、B級でコンスタントに入着~1着を繰り返してくれれば十分ペイできる。
A級入りすれば預託料も合わせた収支がプラスになると考えてもいいかな。
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美和
仮に名古屋で同じだけの賞金を稼ごうとすれば、平場なら20~30勝程度はしないといけないんじゃないでしょうか。
名古屋競馬の重賞レースを1回や2回は勝つくらいの活躍をしないといけません。
競走馬のレベルの違いもありますので名古屋でここまで出世できたかどうかは全くわかりませんけども。
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静寂さん
そうだね。
フォルティウス自身はJRAでは全く通用していなかったわけだけども、名古屋ではA級だって大いにあり得そうで、南関東ではB級までは軽く出世できるだろうというけど、A級まで行けるかどうかはまだわからないっていう感じかな。
JRA所属のときは、未勝利戦が終わってしまうこと、そして格上挑戦の身分なのでレースを選べない感じだったことで自分の適性に合ったレースには出れていないと思う。
JRA時代の成績は度外視でいいとは思うけども、本当に強い馬なら、下級クラスではどんな条件でも能力だけで勝ち切るともいわれるからね。
680万の安馬だし、無理にJRAに戻すより勝鞍を増やせてそこそこ賞金が稼げる南関東でコツコツやっていくのは悪くない判断だろうね。

地方競馬は南関東といえど、JRAの賞金体系と比べると非常に貧弱です。
しかしながら、賞金が貧弱なため高額(2000万を超えてくるような)な競走馬はよほどの事情がない限り所属させ続けることはできません。
なので相対的に競馬場の競走馬レベルも下がってしまいます。
そんな中でも南関東は地方競馬の中ではとびぬけて賞金が高いぶん、地方の中での素質馬は南関東に所属してきます。
この中でうまくかみ合って賞金をコツコツ持ってこれるのであれば、地方所属も大いにありでしょう。

実績馬が地方に移籍するパターンとは

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美和
最近シルクでは実績がある古馬が地方に移籍するパターンが見られるようになりましたよね。
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静寂さん
そうだね。しかも、それなりに伸び盛りのタイミングで移籍していることも多いよね。
実際、地方競馬限定重賞を勝った馬とかが出てきているよね。
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美和
JRAのレース体系はどうしても芝が中心になります。
なので、ダートの路線があまり整備されておらず、その中でも中長距離路線となると、重賞があまり整備されておらず、地方交流や地方限定の重賞のほうが適性に合っているレースも多いため、ダート中長距離適性の馬ほど古馬になってからの移籍が多いように見えますよね。
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静寂さん
南関東の地方重賞だと、高額賞金のレースになると2000万3000万の重賞なんてざらにあるからね。
適性の合わないチャンピオンズCやフェブラリーS、マイル~中距離の重賞をJRAの所属のまま狙うよりは、南関東に移籍して地方限定重賞に出走するほうがよほど獲得賞金額が高くなるという計算だよね。
理にかなった移籍だよね。
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美和
そんな中、24年度開催分、要は21年度産駒からダートクラシック三冠路線が整備されます。
JRAも協力して整備していますが基本的にはNAR、地方競馬が主体です。
ここへの出走を考えても、地方所属でも十分採算が合う可能性が出てきているのかなと思います。
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静寂さん
そうだね。
21年度産駒、うちのラインナップだと、シルクならプロミストリープの21はオルフェーヴル産駒だね。
小柄な牝馬だから、ダートより芝のほうが活きそうだけど、血統的にはダートは苦にしなさそうだ。
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美和
ライオンでいえば、フサイチセブン産駒のグランドサッチャーの21とカリフォルニアクローム産駒のブルーロータスの21でしょうか。
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静寂さん
そうだね。
ただ、ライオンの2頭はシルクのプロミストリープの21よりも距離適性は短そうだよね。
マイルから中距離あたりだろうか。
ダート馬でもそのあたりの適性ならJRAでも出走できそうなレースはたくさんあるからね。
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美和
現在現役の馬でいえば、ロンコーネ、ラヴォラーレあたりは3勝Cですが出走できそうな適性のレースの少なくていろいろ足踏みし始めていますね。
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静寂さん
そうなんだよね。
ラヴォラーレは残念ながらローレルクラブなので、地方に移籍したうえでファンド継続は基本的にはないクラブだよね。
そういうのもあって、最近ローレルの募集馬に手が伸びなくなってきているんだけどもね。。
ロンコーネはライオン所属馬なので移籍はありだよね。
ただ、距離的な適性は2000mいかっぽいことがわかってきているからね。
あと1勝、オープンまで行けばそこそこ番組はあるんだよね。
ただ、勝ち負けできないようなら南関でコツコツやってくのもありだよね。
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