日曜日の静寂

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一口馬主~キョウトシチー・タップダンスシチー・クラウンシチーと~ - 4

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一口馬主復活!デビューまでの期間を耐えられるか?

友駿で心が折れてから、約20年。2015年。
時間に余裕があった私は久しぶりにJRA-VANのDataLabを契約した。
DataLabは、30年近いJRA競馬にかかわるすべてのデータをデータとして配信してくれ、最新の情報、要は今週の出馬表やレース結果も配信してくれるものだ。
僕が友駿に入会した時はWindows95の時代で、一般の人でもPCを手に取れるようになり始めた時代で、当然まだJRAも整備ができているかできていないか微妙な時代だ。
また、その当時はPCのスキルなどほぼ無に等しかったので、データ配信があったとしても何もできなかっただろう。
2015年時点では僕にはサーバー構築スキルは多少のプログラムを書いて走らせるだけの知識がついていた。
歳もとり、金銭的な余裕も当時よりはずいぶんある。そして、人間の幅が広がったというか、いくつかの趣味を同時に行うことができるだけの器量が付いていた。
当時から競馬以外で楽しんでいたものが、銭湯(サウナ)・プロレス鑑賞・F1鑑賞、そして、映画鑑賞、DVD鑑賞など。いろんな人生の楽しみを見つけていた。
90年代は若かったこともあって、1つのことしかできなかった。
競馬なら仕事と寝ている以外は競馬をやっていないとダメというか。
なので、平日の夜なんかはずっとグリーンチャンネルを付けていた。名馬の特集や地方競馬、海外競馬なんかの番組も欠かさず見ていた。
たまに、農業の番組が入ると、地獄の時間だった。それをさけるために、名馬特集なんかはビデオ録画して、そういう時間に見るみたいな癖も付いた。

血統から良い馬を見つけられるんじゃないか?

当時できなくて今できることの一つはデータベースのデータを加工して一定の計算をした結果を出力するというくらいのことは私のスキルでできる。
ということは、JRA-VANから取得したデータで、募集馬の中でも、より勝てそうな、儲けがでそうな募集馬を見つけられるのではないか?と考えに至った。
JRA-VANのデータなんて、大した金額じゃない。僕の小遣いでも十分出せるレベルだから。
そもそも、まずは、競走馬(募集馬)ごとに、出力される計算結果は違ってくるのか?
例えばディープインパクトと、ブラックタイド。父も母同じ全兄弟であり、もっと言えば馬主まで一緒だ。
しかし、個体としては違うので、生まれた年も違うし、同じ数字が出るようではお話にならない。
また、ディープインパクトの血統診断をするのなら、ディープインパクトがデビューする前ようは、購入・出資が可能なタイミングでの評価が必要で、この評価が、その後の評価とずれてはいけない。引退してから高評価になるようなプログラムではお話にならないということだ。
まずは、個体によって差が出るのかどうか、などを基礎調査することにした。

競馬はブラッドスポーツ

ディープインパクトは、現役時の競走成績も素晴らしいが、この馬は種牡馬としての成績がもっと素晴らしい。
ディープインパクトの父サンデーサイレンスは日本の競馬を世界レベルにまで引き上げた根幹種牡馬と言ってもいいと思っていたが、JRAの競走成績だけを見た場合、ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス産駒の成績を凌ぐ。
なので、ディープインパクト産駒は、日本の宝となり、高額で取引され、そしてその中から必ずと言っていいほどG1馬が現れるのだ。
競馬は血統。ブラッドスポーツと言われる所以である。
私が作った初期段階の血統診断プログラムでのその傾向は顕著に表れ、それは、稼ぐ馬や重賞を勝つ馬を見つけるというところまでは至っていなかった段階で、距離適性や馬場適正、脚質傾向などは、血統、配合によって大きくぶれる。
そして、傾向に準ずるように実際の競走馬はその傾向を示す割合が強かった。
もちろん全頭が100%短距離芝差し脚などと傾向を示すわけではないので、短距離傾向が強い血統なのに、長距離を走る馬が現れたりはするのだが、全体量が多くなればなるほど、示す傾向に準ずる馬が多くなる傾向にあった。
ようは、血統診断でその募集馬がどのような傾向を示しそうな配合なのか、ある程度は読み解けることが分かった。
次は何より大事な、勝ち上がりと、持って帰ってきそうな賞金はどのくらいかだ。
勝ち上がりについては明確にこの馬は勝ち上がることができる、出来ないと示すことはできないだろうが勝ち上がる可能性をパーセンテージで示すことはできそうなことが分かった。
未勝利引退が続く配合や、そのほとんどが勝ちあがりはできそうという傾向は明確に出せた。
配合によって全く違うのだ。
同じディープインパクト産駒でも、母親の系統が違うと勝ち上がり確率が大きく上がったり下がったりする。
で、実際勝ち上がり確率が低く示された競走馬は勝てなくて引退する馬も多かった。
これで、JRA全体の勝ち上がり確率(未勝利戦があるうちに勝ちあがることができる確率)の約30%。
この30%に入れそうな馬を見つけることはできそうだ。
当然こちらも確率なので、90%というハイスコアを示したとしても、未勝利引退の可能性は10%ある。
なので、自分の出資馬では50%程度勝ち上がってくれればいいなと考えるようになった。
もう一つは、賞金だ。
一応投資種目、ファンドなので、収益はプラスにしたい。
一口馬主は預託料、飼い葉代も出資者が負担するのが一般的なので、募集代金を回収したとしても、回収率は100%を超えたとは言えない。
また、当然クラブに支払う手数料や賞金からひかれる手数料などもある。
ただ、募集代金を超える賞金を獲得できていないのに回収率100%になることもないわけだ。
だから、1頭1頭の最低目標は募集代金の2倍と設定したとして、この賞金については血統で違いが出るのかどうかだ。
実際に作ってみると意外に血統によってブレがあることが分かった。要は密な計算をすることで募集馬が現役時に獲得してくれそうな賞金の期待値みたいなものは示せそうだった。
これは、サンプル、近い配合の競走馬が獲得してきた賞金の平均値。最初のうちは平均値で計算していた。
これでやるとどうなるかというと、例えばブエナビスタがサンプルにはいったら平均値は跳ねあがる。
サンプル頭数が少ない上にG1馬がいると平均賞金は跳ねあがるのだ。
これでは、ただ1頭でもバケモノを輩出した血統・配合は最強ということになり。本来の趣旨である、募集価格の2倍の獲得賞金を達成してくれるような馬主孝行を見つけるものとはちょっと違う。
そこで、中央値を持ってくることにした。
中央値というのは、全体の中で最も多い数字を示すのが中央値。
たとえば、日本のサラリーマンの給与は平均値では求めにくく、中央値が世の中の真ん中なのだ。
年収1000万の人と500万の人の平均は750万。でも実際は年収750万という人はいない。
これと同じで獲得賞金も平均では求めにくく、中央値がより実態に近いのだ。
この中央値で見てみると、やはり傾向は出る。
長距離向きの血統は期待される獲得賞金は短距離むきの血統より多い。
これは、付加賞などが長距離レースの方が多いからだ。
同じように賞金だけなら芝に強い血統の方が多くなるが、勝鞍数でみるとダート馬の方が多くなる。
これも芝のレースにはついている付加賞があるが、ダートについている付加賞は芝より少ないというのもあるだろう。
こんな計算をするプログラムを作るスキルが今の自分にはあるので、一口馬主用の血統診断プログラムを作っていったのだった。

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